上司や部下など会社の人間関係が良くなる上手な付き合い方は?

接待・飲み会
回答いただく専門家は、心理行動学を得意とする、un-Limited School(アンリミテッドスクール)の代表 木下 山多氏です。

会社での人間関係のお悩み相談に専門家が回答

30代 会社員 男性からの質問

「今度出世して中間管理職的な役職になるのですが、元々人付き合いが苦手で悩んでいます。出来る限り会社の人間とは会社以外で会いたくなくて、飲み会や社内行事の参加率も低いです。しかし中間管理職となるため、会社以外で会わずに上司からも部下からも両方から信頼されつつ、上手く付き合っていく方法があればアドバイスを下さい。」

こういうお悩みも結構多いんじゃないかと思います。昔と比べると会社の中での人付き合いって結構減って来ていますよね。じゃあ例えば飲み会や社内行事に参加しないから、中間管理職は上手く務まらないか?それから彼等と信頼関係を作る事が難しいか?というと、そんな事も無いんですね。じゃあどうすればいいかというコツというか、理論をお伝えしたいと思います。

まず人付き合いが好きか嫌いかというのは人のタイプですから全然構わないんです。でもここで一個知っていただきたいのは、人は同じである必要は無いのと同時に、違って当然だという事を知るという事ですね。

ですからこの相談者さんが人付き合いが苦手なのは何も問題無いんですが、その一方で人付き合いが大好きだったり、人付き合いを凄い大事にする人がいるというのも事実なんですね。

それを良い、悪いではなくて「あ、そういう人もいるんだ」と。「自分と違う人が世の中にいっぱいいるんだ」という事に気付き、もしも可能であればそこに興味を持ってみるという事ですね。

つまり「この同じ状況でもこう感じる人もいれば、こう感じる人もいるんだ。私は違うけどね。ふーん」っていう感じ。これ結構な入口です。同じである人が素晴らしいわけでなく、違って良いし、違って面白いなという関心を持ってもらうと良いかもしれません。

あと信頼関係ってどんな風になるかというと、例えば部下がいます。その部下の仕事のやり方が上手くない、良くないとします。そしたら「君の仕事のやり方は良くないから、これ変えた方が良いよ。もしくはこういう所をこうしていこうよ」と言ったとします。

これは中間管理職の人は言わなければいけない事かもしれません。ただ、「変わりなさい」という事は相手を否定している事になります。「今の現状のあなたは駄目ですよ」と言っている事になるんです。

という事は「変わりなさい」と言われた人って嬉しいか嬉しくないか?圧倒的に嬉しくないんです。何故かといえば否定されているから。否定されて嬉しい人っていませんよね。

逆にどうするかというと、まずその人の状況を受け入れてあげるという事です。
例えば「君がこの部署に来てくれてから凄く部門が明るくなって、凄く明るく仕事をしてくれて助かっているよ。ありがとう!ただ、昨日のあの接待の場の言動はちょっとまずかったかな…何て言うのかな…相手の人はたしかに無礼講とは言ってくれた。ただアレはちょっと羽目を外し過ぎたから二度とやらないでくれ。ただ君の場合は、一度やってしまった失敗だろうが、そのまま自分の事で終わるのではなく、それをちょっと面白おかしく後輩とか同僚とかにも上手く伝えてくれたりするじゃないか。そうする事によって、他の人達が同じような失敗を起こさずに上手くやってくれるじゃないか。今回もああいう風にやって上手く皆に広めてくれれば、ウチの部としても質が上がって良くなると思うので、期待しているよ!」みたいな感じで言うとします。

これって実はやっている事は、昨日の接待の場の無礼講で調子に乗った部下を叱っているんですよ。でも言われた方は褒められたくらいの感じなんですね。

これを「サンドイッチ法」と言うんですが、人に何か批判とか注意をする時は、褒めて叱って、最後は褒めて終わるんです。しかも褒める時には出来るだけ高いレベルの話をします。

これちょっと別のテーマでも話したんですが、人間の意識の構造というのは環境、行動、能力、信念、価値観、自己認識、アイデンティティという順番になっていますので、行動を叱った後に能力、信念、価値観を褒めてあげて終わると褒められた気がします。

実は人を注意する事の目的は相手をへこませる事ではなく、相手の行動を改めてもらう事なんですね。ですからまず相手がやっている事を承認してあげる、受けとめてあげる。そしてそれから違う方向に持って行くんですね。

例えば今の目の前にカメラマンさんが座ってらっしゃるんですけど、例えばですよ。ちょっとこちらに手を出してもらって良いですか?それで「立て!」ってガッて手を引っ張ったら凄く嫌な感じしますよね。いきなりこう腕を引っ張ったら嫌な感じになりますよね。

でもこれが私が手を持った後に、カメラマンさんにちょっと体重をかけて背中に手を添えながらスーッと引いたら、相手の方が自然に立ち上がるのわかりますか?

実は多くの人はリーダーシップという概念を勘違いしています。リーダーシップというのは圧倒的な存在感や力でガッと無理やり引っ張る事じゃないんです。そうするとさっきの無理やり引っ張られる感じになります。それだと引っ張って人にズルズルズル…って引き摺られる嫌な感じになるんです。

本当のリーダーシップというのは、「まるで相手が自らの意志で望んで進むかのように、一度相手に合わせてあげてから導く」ということです。これがコミュニケーションの中ですごい大事なんです。

つまり相手を変えようとするのであれば、いきなり変えようとしてはいけないという事です。まず相手に合わせてあげて、それで落ち着いてからまるで相手が望むかのような引っ張り方をする。これは上司に対して意見をいう時も、部下を叱る時も全部一緒です。まず相手が言っている事を一旦全肯定して受け入れてから、合わせながら違う方向に導いていくという事をします。

実際人間は何かが合っている事というのは凄いホッとします。信頼関係が出来ます。ですから、まず相手の事に興味を持って、相手に合わせてあげる。そこからもしも違う意見があるのであればそれを伝えて表現してそちらの方に変えていきます。

中間管理職の方というのは、単に間に入ってコミュニケーションを繋ぐだけではなくて、場合によっては相手に変わっていただく必要もあります。もしくは何か下で起きている事を上に報告する必要もあります。

その時に大事なのは、まず相手に合わせること。合わせるのは飲み会に行くというのも一つの合わせ方です。ただ人によって得意不得意もありますから、そういう所は合わせられなくても例えば話すスピードとかテンションとか、身ぶり手ぶりとか、趣味ですね。

そういったものに合わせておいて、そこからどんどん違う方向にリードしていく。こういう事で段階を踏む事によって相手に自分の違う意見、反対意見、批判が受け入れられやすく、伝わりやすくなります。

そこでちゃんと信頼関係もできながら相手を変える、違う方向に導くという事が可能になってきます。ですからまず相手の事をよく見て聞いて合わせましょう。

そして必要がある時はそこからじわじわとあなたが必要としている方向に変えていく、導いていくんだという事を知っておいてください。これをやってみると他の人とのコミュニケーションが一気に変わります。

そしてあなたとの信頼関係がどんどん熟成されていき、例えば飲み会に行かなくても行けなくても、社内行事に出られなくても出なくても、それでもあなたの周りに人が付いてくるようになりますし、上司からも可愛がられ、部下も付いてくるようになります。そういった形で上手く中間管理職的な役職をこなしていけるんじゃないでしょうか。

Q.最後にユーザーに向けて自己PRがあればお願いします。

弊社、合同会社un-Limited Schoolでは、相手を変えようとする、否定するという事ではなく、まず相手をそのまま受け入れる事によって相手を変えていくという事をやります。

でもこれは究極的には相手ではなく自分自身に向けて欲しいんです。自分を変えなければいけないと思っている事はイコール自己否定になってしまいますので、自分をそのまま、自分の良くない所、悪い所もそのまま承認する事が出来た時に、初めて人間というのは大きく変わる事が出来るんです。

そういった事を実践できる講座、セミナーなんかもやっていますので、是非ご興味のある方はご連絡ください。よろしくお願いします。