産業カウンセラーの起業エピソード「株式会社 総合心理研究所 オフィス秋山」

カウンセリング
回答いただく専門家は、産業カウンセラーであり、株式会社 総合心理研究所 オフィス秋山の代表取締役 秋山 幸子氏です。

Q.学生時代はどんな学生生活を過ごしましたか?

私はたまたまなんですけれども、高校卒業しかしていないんですね。大学進学は家庭の事情で諦めました。その代わり結婚し子供を産み、子育てをしてそれから自営業をずっと続けています。

祖父母の介護をしながらずっと人生を送ってきているんですけれども、その経験も含めまして、高校時代から漠然と考えていた相談援助者という役割にずっとつきたいと思って勉強していたんです。勉強は大体1日2時間独学で勉強してきました。

そのうちたまたまご縁があって、非常に素晴らしい臨床心理士の先生と出会う事が出来て、その先生の研究室で独自にまた勉強を続けるという事が出来たんです。そして今に至っています。

Q.社会人時代はどんな企業で勤めてたんですか?

実は高校の時に家業の飲食店があったんですけれども、母が過労で倒れまして、高校2年の時から家の仕事も手伝っていました。それも含めますと自営業しか経験がありませんので、お勤めの経験はありません。飲食店を約13年、そしてその後結婚した相手と一緒に始めた製造業を12年やらせていただきました。

Q.起業した時期ときっかけは何だったんですか?

バブルがはじけてから日本では非常に製造業が厳しくなった時代がありまして、2003年ごろに私がやっていた製造業も厳しくなりました。その時に私自身は「今が相談援助者になるためのチャンスかな」と思い、自分で勉強に行って資格を取る事が出来たんです。

ただ私自身が自営業しか経験していなかったので、経営者のメンタルヘルスというのがこの国には必要かなと物凄く思っていました。そしてその試験に合格した後に、私自身がいろいろな問題でうつ病になって過労で倒れるというアクシデントが起きました。2年間療養していたんですけれども、それも非常にわが国のメンタルヘルス対策を考える要因になったと思います。それが起業のきっかけといえばきっかけだと思います。

Q.起業したときは一人でしたか?

当時の日本では、フリーのカウンセラーが食べていくというのは非常に難しい時代でした。大体起業しても3年以内に閉鎖するというカウンセリングルームだらけだったんです。ですから当然私も自分で独立して一人でやっていくといった時には多くの人に笑われましたし、反対もされていました。その方達が今は随分と応援者になってくださっているんですけれども。

ですから一人でまずはやってみようと思って始めたのがスタートでしたね。私は岡山にいて生活をしていましたけれども、なかなか地方ではプロのカウンセラーになるというのは難しいんだなと思いました。それで一念発起して、うつ病からも立ち直っていましたので、単身東京に出てきて開業しました。

Q.起業時のお金はどうやって準備しましたか?

私自身今は起業相談などにも乗らせていただいていますが、まず自己資金は最低でも300万円は持っていないと不安になると思うんですね。そして私自身はいくらか貯金はありましたけれども、ちょうどその頃子供の教育資金や家をリフォームしたローンも抱えていましたので、そんなに潤沢な資金はありませんでした。東京に出て来る時に自分が決めてきたのは、まず50万円だけ現金を持って出てきまして、そこからお金を上手に使って今に至っています。

Q.起業して軌道に乗るまでは苦労をされましたか?

苦労はとても多くしたと思います。私は生まれも育ちも地方でしたので、まず東京という土壌、文化に慣れる事に大変苦労しました。それから、いくら自営業をしていたからといってそれが全てキャリアになるとはとても思えませんでしたし、むしろ東京で競争社会の中でもまれた人に比べると、私自身のビジネススキルは最低だったと思っています。

そうした中で少しずつ自分のビジネススキルをアップしていき、あとは差別化を図りながら今に至ったんですけれども、やはり良い人と出会うという事が私にとってはかけがえのない財産となったのは事実です。

最初の2年間はやはり知名度も低いですし、東京にいても誰も私の事を知らないわけですから、パンフレットを自分で作って印刷して、2年間は自分の作ったパンフレットをいろんな方に手渡しで配り歩きました。

Q.経営が軌道に乗った理由は何だったんですか?

当時はミクシィが流行っていた時期だったんですけれども、SNSは使えると思いましたので、それを有効に使った口コミマーケティングですね。それが最もお客様獲得につながった要因にはなりました。

最初とても集客に困りましたし宣伝も困ったので、何か上手い宣伝が出来ないかなと思いまして、実は月に1回異業種交流会を開いたんです。その異業種交流会は士業の方とか経営者の方とか起業家志望さんに特化しまして、その方達を集めて毎月交流会を開き、そこからいろいろなビジネスをお繋ぎしたりとか、私自身のクライアントを獲得するという流れが出来たと思います。

当時東京ではいろんな異業種交流会が開催されていましたけれども、カウンセラーが開く異業種交流会というのは類を見なかったと思うんです。それが面白くて私自身に会いに来てくれる方も非常に多くおられました。多い時で、1回の交流会にMAX40名をコンスタントに集める事が出来ていました。

Q.現在のビジネスモデルは起業当初と同じですか?

私のビジネスモデルとしてはずっと進化をし続けていると思います。まず初めに2006年から2009年くらいまでは個人のカウンセリングを主に行ってきていました。でも段々と、今度は研修講師の口がかかるようになりまして、知名度が広がると大学の社会人講座に呼ばれるようになりました。それから企業さんが私に講演を依頼してくれる機会が増えてきましたので、2012年に思いきって法人化をしました。法人化したのは、今度は個人を対象ではなくて企業契約ができやすくなるために法人化をしました。

法人化してからは新しいスタイルというのは無いんですけれども、2014年に「メンタル経営」という私自身がやっている研修、個別相談、紛争回避をパッケージ化したものを商標登録しました。メンタル経営を商標する事が出来たので、今度はメンタル経営が出来る産業カウンセラーという事で企業契約、顧問契約をしていただき、今のビジネススタイルになっています。

Q.起業に向いているのはどんな人だと思いますか?

起業するにはやっぱり起業家精神が旺盛じゃないといけないと思うんですね。ただ、ビジョンを掲げるだけでなくて、それからお金があるとか無いとかではなくて、やっぱりやる気の問題というのもあると思います。

それともう一つは、お金をいかに稼いでいくかというセンスも必要になるかと思います。何より諦めずにコツコツと前向きに取り組んでいく事は、ビジネスセンスがあるのと同じくらい大切なマインドだと思います。

Q.新たな夢や目標はありますか?

究極の夢は、私のようなカウンセラーが存在しない社会を作る事です。その夢は最初の起業当時から持ち続けているんですけれども、なかなかそういう社会を作るのは難しいです。ですから今は私と契約をしていただいた顧問先、そこの社員さん全員がカウンセラーの役割が出来るようにと研修をさせていただいております。

Q.最後にユーザーに向けて自己PRがあればお願いします。

起業は自分の夢の実現のためだけに行うものではないと思います。世の中に必要とされているものを具現化していく事だと思うんです。現在弊社はカウンセリングビジネスで起業された方のコンサルティングも行っています。どうぞお気軽にご相談ください。