行政書士とは?依頼可能な4つの仕事内容をご紹介

行政書士
回答いただく専門家は、行政書士の小林 雄一氏です。

そもそも行政書士とは何か?

皆さんは行政書士というとどんなことをイメージしますか?

弁護士は、「貸した金が返ってこない」とか「家賃を払ってくれないので家を明け渡して欲しい」というようなときに、相談する人、司法書士は家を買ったときに登記申請を代行してもらう人・・・

でも行政書士というと今一つピント来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

行政書士の出来る仕事はその範囲が実に広く、「行政書士の業務はコレ」といったような明確なものがありません。

それが行政書士に対して今一つピンとこない原因かもしれません。行政書士は「街の法律家」と呼ばれていて、一般市民にとって一番近い存在なのです。

それは皆さんが何か困ったときに一番気軽に頼れる存在であることを意味しています。この記事ではそんな行政書士の仕事をわかりやすく解説します。

行政書士の仕事1「許認可の代行業務」

行政書士の業務にはさまざまものがあります。そのなかの代表的なものの一つが許認可業務です。

例えば、あなたが飲食業を新たに始めるとします。この場合保健所の許可をとらなければなりません。無許可で営業を開始すると、法律違反になり罰せられる可能性もあります。

この許可をとるためにはさまざまな書類を作成して提出しなければなりません。
書類の提出作成は、自分で行うことも可能です。

しかし、役所に提出しなければならない書類は慣れていないと色々とわからないことがでてきます。そのたびに調べていたのでは大変です。

おまけに、飲食店を開業するときには他にもやらなければならないことがたくさんあります。アルバイトを募集したり、厨房や内装の工事をしたり・・・

そこで行政書士に書類作成の依頼をすることになるわけです。
行政書士にまかせておけばあなたは他の準備に専念できるわけです。

行政書士の仕事2「事前にトラブルを防止する相続業務」

最近何かと相続のニュースを目にすることが多いと思います。なかでも一番よく耳にするのが40年ぶりに行われる相続法の大改正です。本屋でもこのことに関連する書籍がたくさんあります。世間一般の相続に関する関心の高さをうかがうことができます。

「相続」は「争続」と呼ぶこともあり、ときには遺産をめぐって親族間で骨肉の争いが繰り広げられることがあります。この相続問題がこじれてしまい、話し合いで解決できない場合には、調停・裁判で決着をつけなければなりません。

そうなると解決までに多くの時間がかかります。また裁判を行うとなると弁護士に依頼をしなければならないので、その費用は多額になります。当事者が負わなければならない負担は精神的にも肉体的にも相当なものになります。

自分が死んだあと、親族が相続でもめるのは嫌ですよね。そうならないように、あらかじめ手を打っておく方法はないのでしょうか?そういう事態を避けるための方法が、遺言書の作成です。

しかし遺言書をどうやって作成すればいいのか、その方法がわからないという方もいらっしゃるでしょう。遺言書の作成は、法律で定められた要件にしたがって作成しなければなりません。

せっかく遺言書を作成しても法律で定められた要件をみたしていないと、それは無効になってしまいます。そのようなときに遺言書の作成の相談に応じてくれるのが行政書士です。

遺言書の書き方についてアドバイスをしたり、遺言書の内容のチェックするのも行政書士の仕事なのです。

人はいつか必ず死にます。それを避けて通ることはできません。そして残された人が財産をめぐってもめることのないように、自分が生きているうちに可能手段を講じておくことは責任ともいえるでしょう。

そんなトラブルを未然に防ぐお手伝いをするのも行政書士の仕事の一つです。

行政書士の仕事3「会社設立」

日本で設立される会社の数は年間で10万件を超えるといわれています。ここ最近、さかんに終身雇用制度の維持が困難になりつつあるといわれています。

そういう雇用動向を踏まえると、会社を早期退職した方や新たな人生として
起業の道をえらぶということも考えられます。そういう会社設立をされる方のお手伝いをできるのが行政書士なのです。

会社設立に必要な大まかな手続きは以下の通りです。
①定款作成
②資本金払い込み
③登記書類作成
④登記申請
になります。
このうち③と④は司法書士が行う業務のため行政書士はできません。

では、どんなときに会社設立の手続きを行政書士に頼むのでしょうか?それは、会社設立と同時に許認可業務を行う場合です。

たとえば建設業や産業廃棄物処理業を新しく会社を設立して行う場合などです。
このような場合には行政書士に依頼するとよいでしょう。会社は設立できたけど、許認可をとっていなかったために業務を行うことができないといった
事態を防ぐことができます。

許認可業務に強い行政書士だからこそできるワンストップサービスです。また会社の設立が終わったら、それで行政書士としての役目も終わりということにはなりません。会社を設立した後は、当然日々の業務があります。

会計業務がその一つです。このような業務は外部にアウトソーシングしたほうがコスト面でメリットのある場合があります。行政書士は会計記帳の作成など会計業務を行うことができるのでこのようなお手伝いをすることもできるのです。

経営が順調な場合、事業拡大をすることも将来的には考えられます。そういう時に必要になるのが事業資金です。

現在、国や地方自治体が様々な事業支援のための融資制度を設けています。そのような融資の申請のアドバイスをするのも行政書士の仕事の一つです。

また、行政書士が設立のお手伝いをできるのは何も会社だけではありません。
医療法人、NPO法人、公益社団法人、学校法人などの設立も行政書士の業務の範囲なのです。

行政書士の仕事4「新たに可能になった不服申立ての業務」

例えばあなたが建設業を始めようとして、建設業の許可申請をしたとします。しかし、残念ながらその申請が不許可となったとしましょう。

この場合、あなたは不許可処分をした行政庁に対して許可をするよう不服申し立てを行うことになります。申請業務を行った行政書士が特定行政書士の場合、行政庁に対して不服申立てを行うことができます。

この特定行政書士というのは、2014年に改正された行政書士法によって新たに誕生しました。行政書士の資格を持つ者が一定の講習を受けた上で試験に合格すると特定行政書士として認定されます。

それまでこの不服申し立てをできるのは、弁護士のだけでした。しかし、実際の許認可申請に関わったのが行政書士で不服申し立てを行うのが弁護士だとすると、それまでの経緯がわからないため問題解決まで時間がかかってしまうのが難点でした。

しかし、許認可申請を行った行政書士が特定行政書士なら、その後の不服申し立てもそれまでの経緯を知っている行政書士が行うため速やかに問題解決が可能です。

これはまだ新しくできた制度なのですが、行政書士業務の範囲が拡大につながるものとして今後活用が期待されています。

まとめ

ここまで行政書士にできる仕事をご紹介してきました。しかし、今回ご紹介したのは、行政士書士の出来る仕事の中でもごくごくほんの一部です。

許認可申請で、飲食店業を例に出しましたが、それ以外にも宅建業、産業廃棄物処理業、運送業、風俗業な実にたくさんの許認可申請業務があります。その数は10,000種類以上ともいわれているのです。

各行政書士会では、無料相談会を定期的に実施しています。何か困ったときにこの記事を思い出してみて下さい。行政書士に相談してみようと思って頂きたいと思います。