特許を申請したいけど取得する費用と期間はどれくらい?

特許申請
回答いただく専門家は、技術分野における知的財産を得意とした弁理士であり、ブライトン国際特許事務所の所長 梶 俊和氏です。

特許を申請する時のお悩み相談に専門家が回答

30代 経営者 男性からの質問 「最近会社で開発したサービスの特許を取得しようと考えております。これまで特許を取得した事が無いのですが、特許を取得する上での注意点を教えて下さい。」

特許を取得する、特許権を獲得する前にまず大前提となるのが、「その技術内容が公開されていない」という事なんです。なので、特許を出願する前に決してその内容をオープンにしたり人に話したり、どこかで説明資料を配ったりという事はしないようにしてください。

これは結構原理原則なんですけれども、意外と守られないんですね。ついつい説明資料を取引先に説明した後で、評判が良かったので特許出願したいという事でご相談に来られる場合もあるんです。もちろん一定の救済規定はあるんですけども、基本的にはそれは駄目なんですね。なので、権利化をしたいと思ったらどこかに出したりどこかに見せたりする前に、まずは弁理士、特許事務所に相談に来るというのが大前提です。

その上で特許出願の大まかな手順を言いますと、まずは特許出願はご自身でも出来るんですけども専門性が非常に重要ですので、多くは弁理士に依頼する事になると思います。弁理士と相談をして発明内容のインタビューをしてから、多くの弁理士が大体1~2ヶ月で原稿送付なり出願なりにこぎつけるかと思います。

まず期間としては、自分が特許出願する1ヶ月か2ヶ月前に弁理士の所に相談に来るというのが大事です。特許出願という出願日が確保されれば、とりあえずはその後公開をしても大丈夫なので安心してください。

特許出願をしてから約1年半でその内容が特許庁によって公開されます。出願から3年間の期間の間に審査請求という手続きを行う事でようやく審査官の審査待ちになります。

それから審査官の審査があって、もし内容が不備だよという事であれば何らかの手続等をやったりするので、そこにやっぱり1~2年はかかってしまう場合があるので、いろいろ考えると、案件によって随分変わるんですけど出願日から権利発生まで4~5年かかかる場合が割と多いので、皆さんが思っているよりは、出したらすぐに権利という風にはなかなかいかないと思います。

権利が確保できればその後は特許の権利期間というのは出願日から20年ですので、その間特許庁にいわゆる年金という特許料を支払い続ける事でずっと権利が確保できるという事になります。

権利というのは属地主義と言われて、それぞれの国で発生するものですので、日本の特許庁に出願したものは日本の国内で権利が有効という事になります。
注意していただきたいのは、もしビジネスをグローバルに、外国で展開される事を考えていらっしゃるようであれば、外国出願も同時に考えられる必要があるという事です。

販売するのが日本であっても外国で製造される場合、もしくは日本で製造して外国に輸出される場合にも、その国でもしその権利が日本では自分が取っていても、別の国で同じ発明内容を別の第三者が権利を取っているという事が無いわけではないです。そうなるとその国ではビジネスが出来ない。出来ないだけではなくて場合によっては損害賠償を請求される可能性もあります。

そういう事を考えますと、やはり出願当初の時点からどの国でどういったビジネスをするのかという事も弁理士に相談いただいて、日本国だけではなくて外国も含めてどこの国でどういう権利を取っていきましょう、どういう風な知財保護をしていきましょうという事を十分に相談される事をお勧めします。

また知財の制度がやはり国によってそれぞれ違いますので、権利の期間も違ったりしますので、その辺も外交関係をあつかっている弁理士、特許事務所に相談されればいろいろ教えてくれると思いますので、そういう点も含めて考えていただければなと思います。

なお、弁理士に依頼される時にいくつかご準備いただければいいなと思う事があります。一つはご自身の業界での周りの動向をよく知っておくという事ですね。弁理士はその業界に精通しているとは限らないので、その業界で従来技術がどうなのか、他社はどういう状況なのかという事を整理されて弁理士に相談されるのが良いと思います。

あと特許出願の明細書は発明の課題とか、発明の効果という事を書いて下さい。まぁストーリー的に「発明が今までの技術に比べてこういう目的と持っていて、こういう効果を奏するんだよ」という事を丁寧に詳細に説明する必要があります。その辺を事前に簡単なペーパーにまとめていただければ、弁理士の方も非常に発明を理解しやすいと思います。

あと図面を用意していただくという事と、それから権利をどういう範囲で取るという事をイメージされる方が良いと思いますね。「ここだけは絶対死守したい」という所と、「できればここまで権利を取りたい」という所が必ずあるはずなんです。その辺の優先順位を考えて来ていただければ、弁理士の方も権利範囲を考える上で非常に助かると思います。

あとは権利取得のプロセスの中で、どうしてもある種の判断をしないといけない所があります。「ここはもう捨てなきゃしようがない」とか、「ここは何とか取っていきたい、でもリスクがある」というような判断をしなきゃいけない時があります。

弁理士はあくまで出願代理人ですので、どうしてもそこの判断はやっぱり出願人さん、依頼者自身に最終判断をしていただかないといけないので、丁寧に説明する弁理士を選んでいただいて、その上でリスクとベネフィットをしっかり認識された上で、最終決断は出願人の方がされるという風な形にするのが良いかなと思います。

Q.最後にユーザーに向けて自己PRがあればお願いします。

外国も含めて、知財に関して我々ブライトン国際特許事務は全て取り扱っておりますので、何かご相談事、お困りごと、それから特許、商標の出願のご依頼があればぜひ弊所の方にご連絡いただきたいと思います。
様々な技術分野にも対応しておりますし、開発経験があって発明者の気持ちに寄り添った小回りの利く業務が提供出来るという風に自覚しておりますので、ぜひともよろしくお願いします。